他にもたくさん書きたいものが1か月待ち以上状態なんだけど、こればかりは今日気持ちが熱いまま書き留めておかないといけない気がして、ほかのすべてを押しのけて、書くことにします。
宇宙レベルで考えれば、あらゆる事柄に善悪がないのだとすると、生き続けることも善ではないかもしれないし、死を選ぶことも悪ではないのかもしれない。なんとなく「死んじゃいけないものだ」ということが世の中の大前提として存在しているように思うけど、(もちろん基本はそのとおりなんだけど、極限状態に陥った時に、「なぜいけないの?」という問いかけに完全に答えてくれるようなものって実は無いっていうか、もちろん「周りの人を悲しませちゃいけない」などに始まるもっともらしい回答もいくつかあるけど、基本はその通りなんだけど、でも、もっともっと根本的なところを考えていったときには)実は、それをまごうことなき真理として支えるものなんてきっとないんだろうな、と。あるとしたらそれは人の作り出したものだから、人を超えた理(ことわり)の上では、そこにどうこうのジャッジはきっとないんだろうな、と。本日時点の私の考えとしてはそこに行きついてはいるのですが。
そんなふうな理解をしたうえで、そのうえでやっぱり私は、「もう1日だけがんばって生きてみよう」と、聴いてくれた人が感じてくれるような、そんな歌を歌っていきたい。歌っていきます。アヴちゃん演じるマリアディーゼルの『I still alive today』の歌を聴いたとき、そこに過去の英子がその歌に救われたシーンが差し挟まれたのを見たとき、つよく、つよく、思って、涙が止まりませんでした。今書きながらもうるうるしています。
去年、「私が自ら死を選ばないのは、今まで私を救ってくれた幾多の創作物と、それを生み出した人を裏切らないためだ」と、そんな言葉を自分の心の奥深くから掬い取り出した瞬間がありました。そしてそれは、私の大好きな作家・奈須きのこさんが、ゲームシナリオの中で登場人物に語らせていた想いとピタリと重なり合うものだった、ということに、少しあとになって気づいて、膝を打ちました。
「私はここで使命を果たします。たぶん独りよがりな理由です。誰かのためでもない。自分のためでもない。正義のためでもない。私はたぶん、何かひとつ裏切れないもののために、ずっと、嵐の中を進むのです。」
私は、清少納言のことも、藤原行成のことも、柳宿のことも、羽海野チカさんのことも、『聲の形』を創り出してくれたすべての人のことも、梶浦由記さんのことも、『チ。』の登場人物たちのことも、星野源さんのことも、ほかにもたくさん、みんなみんなのことを、この世界にずっと生み出され続けてきたすべての文学や音楽のことを、その背後にある人々の想いを、裏切りたくない。たったそれだけの独りよがりな理由で、私は生きていこうと決めているし、このうえなく独善的に「みんなも生きていこうよ」というメッセージを発信し続けます。
でもね、きっと生きるってすごく楽しいことなはずなんだよ。
そして、みんなみんな、本当は、生きることを楽しみたくてこの世界に生まれてきたんだよ。
それができない葛藤があるから、苦しいとか、生きていたくないって、今は感じちゃうだけで。
だから私は「生きるって、こんなに楽しいんだ!」ってことを、一緒にわかちあっていきたい。
私はそういう魂なんだと思う。
あとそうだなあ、私が私流に「なぜいけないの?」に答える、自分なりの価値観としては「可能性がなくなってしまうから」というのがいちばんしっくりきています。生きている限りは、未来に可能性があり続けるので。それが絶たれてしまうことは、私にとっては、悲しいし、残念に思う。(だがしかし、インド聖者の教えによれば、そういった”断絶”や”終了”という概念すらも凌駕する世界があるっぽいので、それはこれからのMY探求に乞うご期待って感じです。)
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はい。というように、あまりにも「魂が揺さぶられた」作品であったために、想いがほとばしってしまいました。
この辺からちゃんと映画『パリピ孔明』そのものの感想に入っていこうと思います。ただ、私はネタバレに配慮しながら語るということができないので、ここから先はネタバレ全開でいきますのでご了承ください。
*** ここからネタバレ全開 ***
もうひとつの私の泣きポイントは、「ああ、もう1800年前からずっと人々の願いは何一つ変わらず【天下泰平】なんだなあ」ってところでした。これもすごい変な話なんですが、先日、浜松八幡宮に行ったとき、御祭神・徳川家康公とある社を前にしたときに不意に泣けてきてしまって。何を思ったかというと、「ああ、家康だって『自分のまわりの大切な人たち(ひいては日本に住むすべての人たちが)が飢えることなく、穏やかに健やかに、毎日笑顔で幸せいっぱいに暮らしていてほしい』という願いのもとに、戦国の世を終わらせんと天下統一を果たした。今の日本で内乱なんて絶対に起こらないという意味では、家康の望んだ未来が実現されている。でも、じゃあ幸せいっぱいなハッピーピーポーであふれているか? っていったら、たぶんNo。そういう意味で、まだ家康の望みは果たされてない。それはきっと、私たちに託されたものなんだ。家康がつくった内乱のない泰平の国土で、次は私たちが、心の豊かさ的なところに取り組んでいくんだ。」というようなことをすごく感じてしまって……。想いのバトンを引き継いでいくんだなあというか。最近、自然とそういうことを感じるようになってきてて。(8H太陽木星DHなので、継承がきっとテーマなんだと思う。)
ただ、別に私家康推しでもなんでもなくて。今回は家康だったけど、もう、みんなそうだよねって。源頼朝も北条義時も、それ以前の歴史上の人物も、というかもうこの地球の歴史のなかを生きてきた全人類、結局のところ、幸せを願ってんだよな!!!! と、それは1800年前の中国でも同じなんだよな!!! と。そんなところで涙腺に来ました。
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いまのところパリピ孔明そのものの感想なにも書いてない。たぶんいちばん書き留めておきたかったのが上記のことだったんですね。いやでも作品自体も最高によかった。見る前から「これは面白いに決まってる」っていうのはわかってたけど、その通りだったし、なんとも贅沢な2時間だった。おもいつくところから箇条書きで書いていきましょうか。
・ピンクの社長の音楽についての台詞が最高。全体を通して音楽というものに対する愛と敬意とよろこびにあふれてる作品で、そこが私のハートにどストライクなんだろうとは思う。
・いや、歌うんかーい! ってなったけど、そうだディーン・フジオカさんだった!! 歌う人だった!!って。イベントではHistory Makerを歌ったとのことで、しかも劉備の衣装でって、ちょっとそれはやばすぎるよね、Yes we were born to make history……。DVD特典に収録してくれないだろうか。
・マリアディーゼルとオーナー小林が一緒にいるところを見るだけで幸せになってしまう体質になってしまったI am 犬王ラヴァ―。
・OPがTV版のときと同じで、ああ、こういう感じだったー!と始まりのところでワクワク高揚感にいざなってもらえたのすごくよかった。コップ握り潰しとか宙に浮く胸倉掴みとかのTVオマージュも見てて楽しかった。
・なんのためのこの豪華な部屋なんだと思ってたら、机の上でラップ始めるシーンがあまりにも好きすぎる。ここだけちょっとミュージカルぽかったですね。好きですよ。
・音楽を前にしたらみんな純真無垢になって、計略も何もかも剥がれ落ちちゃうんだなあ……ってところ、王道ベタな展開ではあると思うけど、めちゃよかったよねー!
・最後の雷に打たれるところはリアリティラインについて思いを馳せてしまったけど(漫画を実写ドラマ化したときによく起こる違和感だとは思う)うる星やつらでもポケモンでもなんてことないし、孔明は半分霊体みたいなもんだろうから問題ないんだろうと結論付けました。
・宮野さんがいい味を出しまくっていた。
・ウーバーも何もかも計略だったという最後のさらい方が爽快だったし、あ~パリピ孔明っていう作品の面白さってこういうとこだったな!と思い出して、それがしっかり健在で嬉しくなりました。でもここまですべてを仕組む人がいるっていうのは、ちょっと空恐ろしくも感じてしまうというか、最近の私のいろんなことも全部裏で孔明的な誰かに仕組まれてるのかも(笑)みたいな気持ちになった。
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孔明に救われた話。